痛み

痛み
ヤケドや虫にさされた場合は、皮膚に強い痛みを感じることを誰でも容易に想像できると思いますが、それ以外にも様々な原因による皮膚疾患で、軽度な傷みから針で刺されたような「ズキズキ」といった、かなり大きな痛みが出てしまうこともあります。
帯状疱疹ウイルスによる感染症など、水ぶくれが出ることで原因を早期で特定できるものもありますが、ストレスなどにより血行不良になった場合に皮膚に痛みが出てしまうこともあれば、スキンケアや薬品が原因で、知らず知らずのうちに皮膚が徐々に痛くなるケースも少なくありません。
痛み
皮膚病の症状と聞くと、「かゆみ」を想像する方が多いでしょうが、「痛み」が出る皮膚病もたくさんあります。
皮膚の痛みを伴う、代表的な皮膚疾患について紹介します。
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主な疾患

帯状疱疹
帯状疱疹後神経痛
子供の頃にかかった水痘(みずぼうそう)ウイルスが神経の中に潜んでいて、体力の低下などをきっかけに活性化して起きます。
一度水ぼうそうにかかると、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体が作られますが、年月がたつと徐々に減ってきます。 そのため、中高年者にかかりやすいご病気です。また、疲労や睡眠不足などによる体力の低下、他の病気により免疫機能が低下したときなどに水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑制する力が弱くなって発症すると言われています。

帯状疱疹の症状は、初めの2、3日はピリピリとした痛みや頭痛、筋肉痛のような痛みが前駆症状として出ることがあります。 その後、体の片側だけに帯状に赤い斑点と水ぶくれができます。汎発疹といって、まれに全身に皮疹が出ることもあります。その場合、空気感染するため注意が必要です。
7〜10日ほどで水ぶくれがかさぶたになります。水ぶくれが深い場合、痕に残る場合があります。
また、目の回りや耳の周りに出ると、角膜を侵したり聴覚・顔面神経に障害(顔面神経麻痺、内耳障害、味覚障害)を残す場合があります。

一度帯状疱疹にかかると、通常は終生免疫を得て再発はみられませんが、ステロイド剤・免疫抑制剤を長期で内服している患者などは再度帯状疱疹にかかることがあります。
帯状疱疹の恐い症状として神経痛などの後遺症があります。水痘・帯状疱疹ウイルスは体内で増殖する時、神経を傷つけます。そのため、早期の治療が望まれます。

治療としては、抗ウイルス薬の内服および点滴があります。当院では点滴療法は行っておりませんので、症状の重症度に応じて、入院施設のある病院へご紹介させていただきます。
単純疱疹 主に口唇、鼻、目の周りや陰部に好発します。
皮疹の経過としては、最初にむず痒さがあり、痛みを伴う赤い小さな水ぶくれができます。水ぶくれは次第にかさぶたになり、治癒します。一般に初感染の場合は症状が重いといわれていて、赤みや腫れが強く、発熱、だるさ、リンパ節腫脹などを伴うことがあるので注意が必要です。

単純疱疹の中には以下のものが挙げられます。

・疱疹性歯肉口内炎
 乳幼児に好発する。40℃前後の発熱、食欲不振で始まり、歯肉の発赤、腫れ、じゅくじゅくが生じる。疼痛が強い。1〜2日で解熱し、10日前後で治癒する。
・口唇疱疹(口唇ヘルペス)
唇とその周囲に感染し、小さな水ぶくれの集合ができる。自覚症状は少ないが、再発を繰り返す。
・角膜疱疹(ヘルペス性角膜炎)
 角膜神経に感染。発病初期に眼痛、流涙などがみられる。治癒しにくく、治癒しても再発しやすい。
治癒後、角膜に濁りを残すことが多く、再発ごとに濁りは強くなっていき、視力が低下していく。
・性器ヘルペス
 陰部に感染し、潰瘍や水ぶくれができる。性交で感染することが多い。発熱や強い痛みを伴うことがある。このため歩行困難、排尿困難になることもある。
・カポジ水痘様発疹症(疱疹性湿疹)
湿疹など皮膚に障害のあるところに感染し、水ぶくれが広範囲にでき、水ぶくれが化膿したり潰瘍が生じたりする。高熱、食欲不振、不機嫌、脱水などの全身症状、痛みを伴いリンパ節の腫脹がみられる。初感染の場合が多いが、再発のものもある。皮膚疾患としてアトピー性皮膚炎に起こることが多い。接触皮膚炎(かぶれ)、熱傷(やけど)などによりおこることもある。
外傷
(切り傷・擦過傷・動物咬傷)
傷口に対し、軟膏処置を行います。また、感染を起こさないよう内服治療を併用することもあります。砂などが入り込んでいる場合は、患部をよく洗浄し、汚い組織を物理的に除去してい行きます。傷が深い場合は局所麻酔をして縫合することもあります。ただし、当院にはレントゲンやMRIがないため、骨折や脳挫傷が疑われる場合は、適切な病院の受診を勧める場合があります。
当院では労災(労働災害)も対応可能ですので、該当される方はお申しつけください。

【来院されるまでのケア】
・ けがをしたらまず、水道水で土や砂などきれいに洗い流す。
・ 不潔により細菌感染を起こすと、痛みが増し、赤く腫れ、治癒が遅れる。
・ とげが刺さったときは、針やピンセットを使用すると医師の診断・治療が困難になるので、そのままの状態で受診する。
・出血が止まらない場合、傷部分を心臓よりも高くし、患部を直接押さえて3分間止血する。

やけど やけどは深さにより、分類されます。第一度熱傷は表皮だけのやけどで、赤くなりヒリヒリする痛みがあります。しかしあとが残らず数日で治るといわれています。第二度熱傷は表皮の下の真皮まで傷ついて、水ぶくれになり、強い傷みを感じます。あとが残る場合があります。第三度熱傷は さらに深い皮下組織や筋肉にもおよび、一部壊死になります。そのあとは化膿し、ひきつれたりします。範囲により植皮などの手術が必要となります。
やけどをしてしまった際は、すぐに冷たい水やアイスノンなどで患部を冷やしてください。 また、痛みが増したり、細菌感染しやすくなるため、水ぶくれはつぶさないでください。
当院では傷の深さにより軟膏を選択し、傷が深い場合、デブリードマン(壊死した部分を削り取る)や、植皮術(他の部分の皮膚を採取し、やけど部に生着させること)を行います。
その他、二次感染が疑われる際は抗生物質を併用したり、鎮痛剤を内服していただくこともあります。
やけどは初期対応と早めの受診が大切です。


巻き爪
陥入爪
巻き爪とは、爪が曲がって丸くなる状態のことで、爪の角が周囲の皮膚に食い込むことで発症します。その後、食い込んだ部分が炎症を起こし、赤くなったり、腫れて痛みを伴うようになると、陥入爪と呼ばれるようになります。二次感染を起こしたり、肉芽と呼ばれる赤い組織が出現したりと、疼痛も強くなってきます。
原因としては、深爪や窮屈な靴・先端の尖った靴、体重増加、水虫などが考えられています。
軽度のものは、原因の除去とテーピング療法で経過をみますが、中〜高度の陥入爪の場合、ワイヤー法(爪に針で穴をあけ超弾性ワイヤーを通して曲がった爪の形を矯正する)やガター法(爪と皮膚が当たる部分にチューブを挟み込むことで炎症を抑える)などの処置が必要になることもあります。
ウオノメ
タコ
タコ(胼胝)は、慢性的な刺激に反応して皮膚が硬く、厚くなった状態のことです。皮膚が厚くなった部分の中心に芯ができて、米粒を踏んでいるような痛みを伴うものがウオノメ(鶏眼)です。
主に足の体重がかかる部分にできやすく、リウマチなどによる足の変形や、合わない靴の使用などが原因として考えられています。その他、座りダコ(足の甲で骨が出ている部位)やペンダコ(利き手の人差し指や中指の関節部分)もあります。
ケロイド けがや手術の跡は、大なり小なり傷が残ります。一般的に傷や盛り上がりが1〜2年ほどで小さく平らに戻っていくものを瘢痕(はんこん)といい、逆に増大傾向を示すものをケロイドと呼びます。ニキビや虫さされ、予防接種部位などごく軽い傷から、炎症が持続することで生じます。
原因として、ケロイドのできやすい部位や遺伝的な背景・体質があります。また、感染により傷の治癒が遅れ、炎症を起こしてケロイドができやすくなります。
ケロイドの皮膚を顕微鏡レベルでみてみると、皮膚結合組織に損傷がおきると、皮膚の中のコラーゲン繊維がたくさん生成され、血管も増殖します。すると 皮膚表面が盛り上がり、硬くなるとされています。
治療としては、ステロイドの外用やテープ貼付のほか、ステロイドの局所注射や内服療法、 切除術(ケロイド部を切除し、縫合する)などがあります。
しもやけ いわゆる“しもやけ”のことです。手足の指や耳たぶ、頬に好発し、患部が赤〜紫色に変化し、痛みや疼痛を伴います。ひどくなると水膨れやびらんになることもあります。時期としては真冬よりも、初冬や春先など季節の変わり目にできることが多いです。
寒冷刺激により細い血管がうっ血して炎症を起こすと言われていますが、気温だけでなく、汗による湿潤や遺伝的な要因も関係していると言われており、詳しい機序は不明です。
治療としては、血流を改善させる目的で、ビタミンEの内服や外用を行います。また、炎症が強い場合、ステロイドの外用療法や血管拡張薬の内服も併用します。

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皮膚科・形成外科・アレルギー科 センター北ヒロクリニック
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